日本アフリカ肝炎交流実行委員会では、2023年夏にブルキナファソから肝炎患者団体を招聘する企画にむけて、ブルキナファソの2つの肝炎患者団体とオンラインで交流を行っています。

先日のオンライン交流では、SDGsの目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」にも位置づけられている、2030年までのウイルス性肝炎の「排除」(”Elimination”、WHO総会決定 ※「根絶[eradication]」と区別されて使用されている用語です)にむけて、2022年からブルキナファソの肝炎対策に大きな前進があったことが紹介されました。

C型肝炎治療薬が無料に

C型肝炎は、身体からウイルスを排除できる治療法(DAA、直接作用型抗ウイルス剤)があります。これまでブルキナファソでは約20万円という大きな金銭的負担があったそうですが、今年(2022年)8月からこの治療薬が無料化されたそうです。官民で国際社会に働きかけ、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の資金によって実現したと紹介がありました。

B型肝炎の母子感染予防へ「バースドーズ(出生直後のワクチン接種)」始まる

B型肝炎の母子感染を防ぎ、また乳幼児の感染を防ぐために、WHOはバースドーズ(出生直後=24時間以内のワクチン接種)を推奨しています。ブルキナファソでも、今年(2022年)1月からこのバースドーズが開始されたそうです。

ウイルス性肝炎の排除には依然として多くの課題

患者団体の方によれば、このような前進があるものの、肝炎ウイルス検査の普及、陽性者の治療・フォローアップなどに依然として大きな課題を抱えているそうです。日本の肝炎治療では多く利用されている、肝臓の繊維化(肝炎の進行状況)を測定するためのフィブロスキャンなど、費用のかかる機械の不足をはじめ、具体的な悩みも紹介されました。

また、肝炎患者団体は、アフリカ諸国で協力して活動されているため、ブルキナファソ以外の周辺国の深刻な状況についてもお話があり、私たちも、改めて、アフリカ(とくにサハラ砂漠以南のアフリカ)全体への支援が求められていることを感じました。

私たち実行委員会は、来年夏の招聘企画により、日本の多くの方たちに、この状況を伝え、アフリカで肝炎に苦しんでいる患者の仲間へ支援が広がるよう、努めてまいります。