コロナ禍のもと、アフリカの肝炎患者との交流という私たちの活動も、また大きな影響を受けています。その活動の現状と展望について、取り急ぎ、ご報告いたします。

コロナ禍のため、現時点(2021年3月)でも、アフリカとの往来ができる状況ではありません。そのため、今年も、7月の世界・日本肝炎デーにあわせたアフリカの肝炎患者・研究者の招聘は、残念ながら実施できない見込みです。私たちとしては、招聘については、来年(2022年)以降になると考えています。また、実際に人と人がふれあっての交流には他に変えることのできない価値があると考えていますが、オンラインの活用をはじめ、交流の仕方についても慎重に検討しているところです。

一方で、往来ができない状況でも、今の状況で可能な、準備的な交流は行っています。この間、何度か、ブルキナファソの現地の肝炎患者会と弊実行委員会との間で、それぞれの地域の肝炎患者が置かれた状況や患者団体のとりくみについて、オンラインでの交流を行いました。また、私たち実行委員会内でも、ウイルス性肝炎やアフリカの状況・歴史などについて、学習を行っています。それらの内容については、適宜、ホームページ上などでもご報告・ご紹介して、アフリカや肝炎患者のおかれている状況について、皆さまに知っていただくことができればと考えています。

また、現時点で取り立ててご報告できる成果はないのですが、アフリカの肝炎患者に対する支援についても、何かできないか、試行錯誤を繰り返していることもご報告しておきます。この点については、もともとの私たちの考えでは、日本とアフリカはあまりに遠く離れていることもあり、まずは交流を行い、お互いの状況を学んだ上で、その次の段階に進み、どのような協力ができるのか、アフリカの肝炎患者や研究者に対して、あるいは現地で肝炎対策に奮闘されている島川先生に対して、どのような支援ができるのか、考え、行動に移していこうと考えていました。ただし、日本でもアフリカでもウイルス性肝炎が多くの尊い命を奪い続けている様子を座して見ているわけにはいきません。また、2030年というWHOの肝炎「排除」計画の期限も刻一刻と近づいています。やむを得ない計画の変更であり、できることから行動もしていきたいと考えています。

コロナ禍によって、私たちの活動も大きな影響を受けています。ただし、苦しんでいるのは、私たちだけではありません。同じ時代、同じ社会、同じ世界に生きるものとして、ともにこの困難とたたかっている、その経験もまた力としながら、皆さまとともにウイルス性肝炎対策が日本とアフリカと、そして世界中で、忘れ去られず、対策が進むように、微力ながら尽力してまいります。

本実行委員会の活動に興味のある方は、ぜひ気軽にお声がけください。