7月28日はWHOが定めた世界肝炎デーです。この時期、世界各地でウイルス性肝炎啓発などの取り組みが行われます。ブルキナファソから来日した肝炎の研究者・当事者のお二人は、7月23日、第11回世界日本肝炎デーフォーラムに参加し、パネルディスカッション「2030 肝炎エリミネーションを目指す日本とブルキナファソの課題~肝炎医療コーディネーターの取り組みと両国の協働を考える~」に登壇しました。また、メディアの取材を受け、日本の肝炎患者団体などとも懇談、交流しました。

パネルディスカッションに登壇したカニア博士(左から3人目)、サノンさん(同5人目)と島川祐輔先生(右から2人目)。右端は、シンポジウムのコーディネーターの江口ゆういちろう先生(ロコメディカル総合研究所 江口病院理事長)です。シンポジウムは、日本肝臓学会の副理事長 持田智先生(埼玉医科大学病院教授)も聞いてくださり、コメントで参加もしてくださいました。

終了後には、シンポジウム主催の日本肝臓病患者団体協議会の役員のみなさんに、お礼もかねて、ご挨拶をいたしました。

シンポジウム前に、薬害肝炎全国原告団の代表、朝倉美津子さん(写真右から2人目)と、副代表の及川綾子さん(写真左端)と懇談。世論を動かし、味方につけて、訴訟で国と合意するまで頑張られた歴史などをうかがい、お二人とも共感するところが大きかったようです。

全国B型肝炎訴訟との懇談にも、原告団長・田中義信さん(写真後列左から3番目)、弁護団長・佐藤哲之弁護士(同2番目)をはじめ、多くのみなさんが参加してくださいました。

カニア博士が、自己紹介の際に、「これだけ多くの肝炎患者のみなさんが、しかも、肝がんの方もたくさんいて、元気にされていることに、まず驚き、そして、希望を感じます」とおっしゃっていたことは印象に残りました。きびしい条件のなかで、命を守る活動を続けるブルキナファソのお二人の活動からも、私たちは多くのことを学んでいます。

シンポジウムに登壇された看護師で佐賀県肝炎医療コーディネーターの矢田ともみさん(写真中央)との写真。自覚症状のない肝炎において、検査を受けてもらう、診察を受けてもらう、治療を受けてもらう、という受検・受診・受療を促進することは大切です。そのためのコミュニケーションの改善・充実をになう、日本の肝炎医療コーディネーターの取り組みに、お二人は強い関心を示していました。

交流会も開催しました。

シンポジウムのあと、この日の夜は、実行委員会主催の「交流会」が開かれました。今回の来日企画を支えてくださった多くのみなさまに、実行委員会からお礼をのべ、また、患者さん、関係するみなさんが、ブルキナファソからのお二人や島川祐輔先生と、親しく懇談させていただく時間となりました。

熊本大学、国立ムラズ研究所(ブルキナファソ。カニア博士の勤務先)とともにB型肝炎のウイルス量をはかる簡易検査キットの研究・開発にとりくんでいる富士レビオ株式会社様。お二人が交流会に参加してくださいました。写真は、ご挨拶をしてくださった、研究開発本部 研究開発企画課の課長 宮本和慶さんです。

今回の来日企画のなかで、実行委員会との交流がはじまり、ブルキナファソをはじめとしたアフリカの肝炎対策事業を始めることになった、日本発祥の国際NGOピースウィンズ・ジャパン。この日は、海外事業部長の山本理夏さん(写真右)からご挨拶をいただきました。写真は、同NGOが支援している佐賀県の伝統工芸品の中から、お二人それぞれの干支の人形をプレゼントしてくださった様子です。

交流会に参加してくださったみなさんとの集合写真

交流会では、オンラインで日本と交流していたのに、来日実現の前に急逝された、ジュスティン・ヤラさん(「SOS肝炎ブルキナ」前代表)に黙祷をささげました。

サノンさんの発表の最後のスライドは、幼なじみで「SOS肝炎ブルキナ」前代表のヤラさん(写真右)との1枚でした。

皆様のご協力に、改めて、お礼を申し上げます。

改めて、今回の来日企画に協力してくださっているみなさまに、心からのお礼を申し上げます。ブルキナファソからのお二人は、7月24日に外務省を訪問したのち、東京を離れ、九州にむかいます。