写真の中央、左から4番目が、外務省国際協力局の江副聡 国際保健戦略官です。

世界日本肝炎デーにあわせて、ブルキナファソから来日している、ドラマン・カニア博士(国立ムラズ研究所。患者団体「アソー・エパティット」創設者・名誉会長)と、クレール・オルタンス・サノンさん(B型肝炎当事者、患者団体「SOS肝炎ブルキナ」代表)、そしてブルキナファソをはじめアフリカ諸国でB型肝炎対策の研究にとりくむ島川祐輔医師(パスツール研究所。熊本大学客員教授)は、外務省を訪問し、国際協力局の国際保健戦略官に面会し、懇談しました。

懇談は、日本発祥の国際NGOで、今回の2人の来日をうけて、アフリカにおける肝炎対策事業の実施を決めたピースウィンズ・ジャパンの紹介で実現しました。

国際保健戦略官との懇談では、島川祐輔医師が、全世界的なB型肝炎・C型肝炎の犠牲者数は、HIVやマラリア、結核に匹敵するにもかかわらず、国際的な対策の枠組みからは、ずっと抜け落ちてきていること。アフリカやアジアなど途上国において、WHOのめざす肝炎克服(「排除」=Elimination)を実現するために必要な課題なども説明し、国際的にトップクラスの肝炎対策をすすめている日本だからこそ、その経験や技術を活用して、できる貢献があることをお話ししました。

ピースウィンズ・ジャパンからは、NGOのできることとして、ブルキナファソにおいて、来日した2団体と協力し、島川祐輔医師を事業アドバイザーとして、肝炎を克服していくためのパイロットプランをすすめ、実例を作っていくことを報告。日本政府には、国際政治、国際保健の世界において、肝炎克服にむけた大きな役割を担ってほしいと要望がありました。

カニア博士からは、B型肝炎の有病率は9.1%、C型肝炎の有病率は3.6%、一方で、HIVの有病率については、かつては7%あったが、取り組みの奏効により、現在は1%にも満たないと発言がありました。戦略官とのあいだで、サノンさんもまじえて、ブルキナファソにおける感染症の実際のようす、また、ブルキナファソにおけるカニアさん、サノンさんたちの活動など、様々な話題について話がされ、丁寧に2人の話を聞いてくださいました。

戦略官は、ブルキナファソからお二人が遠路来日され、こうしてウイルス性肝炎の問題にとりくんでいること、そして、ピースウィンズ・ジャパンがブルキナファソで肝炎対策事業を開始することに「敬意を表します」とのべ、途上国における、このような肝炎の深刻な状況については、国際的な感染症対策を担うグローバルファンドの「本部にも共有したい」と約束。また、さまざまなアドバイスをしてくださった上に、G7広島サミットの保健分野の成果も紹介しながら、このような文脈のなかでも日本政府としても貢献していきたい、肝炎にも裨益するようにつとめたい、と激励してくださいました。

ブルキナファソに検査機器を贈ろう! クラウドファンディングも実施中。

ピースウィンズ・ジャパンは、ブルキナファソからのお二人の来日をうけて、ブルキナファソでの肝炎対策事業を開始。ただちに取り組むことの一つとして、肝がん予防に効果的な検査機器フィブロスキャンをブルキナファソに贈るためのクラウドファンディングも開始しました。ぜひご協力をよろしくお願いいたします。