ご存知ですか、注目されない感染症(肝炎)が多くの命を奪っていること。

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肝炎の患者運動が果たしてきた役割の今日的意義:医学誌に論文が掲載されました。

2021年10月、「Tropical Medicine and Health」というオンライン雑誌に、日本の肝炎患者運動(日本肝臓病患者団体協議会=日肝協)の成り立ちと患者会が果たした役割を詳しく紹介した論文が掲載されました。

論文のタイトルは「Including the voice of people living with viral hepatitis: lessons learned from Japan to accelerate progress towards global hepatitis elimination”(ウイルス性肝炎とともに生きる人々の声:世界的な肝炎「排除」に向けた取り組みを加速するために日本から学んだ教訓)」です。

第9回「世界・日本肝炎デー・フォーラム」開催。医療講演会テーマは「アフリカにおけるウイルス性肝炎」

本日、7月28日は「肝炎デー」。国連の定めた「世界肝炎デー」であり、厚生労働省の定めた「日本肝炎デー」でもあります。肝炎に対する正しい知識の普及啓発、そして受診勧奨などのため、活発な活動が行われます。

 とくに、コロナ禍のため、昨年は開催できなかった「世界日本肝炎デー・フォーラム」(主催:日本肝臓病患者団体協議会、後援:厚生労働省、一般社団法人日本肝臓学会)ですが、今年はオンラインでの開催になります。


動画は、本日から8月3日(火)23:00までご覧いただけます。ぜひ、ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=4dzmFVXv47M

 今年の記念講演は、島川祐輔先生(フランス パスツール研究所)による「アフリカにおけるウイルス性肝炎」です。
 上記YouTubeでは、約46分からになります。

 HIV、結核、マラリアに匹敵する死者が毎年うまれているウイルス性肝炎。もはや、「三大感染症から四大感染症へ」とも言われますが、WHOの戦略や国連SDGsにおいては、2030年までに、ウイルス性肝炎の新規感染を90%削減し、死者を65%削減するという、「排除(Elimination)」を目標に掲げ、各国でのとりくみと協力をよびかけています。


 そして、私たちの暮らすアジアとともに、ウイルス性肝炎の患者が多いのがアフリカです。島川祐輔先生は、そのアフリカで、ウイルス性肝炎対策に取り組んでこられました。

アフリカにおける治療・診断の戦略から、日本の果たす役割まで

 詳しくは、ぜひご講演の動画をご覧いただければと思いますが、今回のご講演では、アフリカにおける治療・診断をどうすすめるのか、という「戦略」のお話から、アフリカの人々が肝炎をどう理解しているのかという問題まで、詳しく語られています。また、2030年までの「排除」目標について、B型肝炎でも、C型肝炎でも目標を達成できそうな唯一の国とも言われている日本が、世界のなかで果たすべき役割についても、熱いメッセージがあります。

 ぜひ、ご覧いただき、世界と日本からウイルス性肝炎の犠牲者をなくすためにどうすればよいか、ご一緒に考えていただければ、また、まわりの方にも関心を広げていただければ、幸いです。

日本アフリカ肝炎交流実行委員会について

私たちは、日本とアフリカのウイルス性肝炎患者の交流に関する活動を行うことにより、①アフリカと日本の肝炎患者が抱える問題に対する理解と支援の輪を広げること、②ウイルス性肝炎や肝炎患者が置かれた状況に対する関心を高め、正しい知識を普及すること、ひいては日本・海外を問わず、すべてのウイルス性肝炎患者が安心して暮らせる社会を実現することを目的としています。

昨年度、西アフリカのブルキナファソから肝炎患者団体や肝炎研究者を日本にお招きし、交流の機会を持とうと考えましたが、残念ながらコロナ禍で延期となっています。現在は、オンラインでの交流や学習などを続けながら、2022年以降の実現をめざしています。詳しくは、ホームページ等をご覧下さい。

http://africajapanhep.org

B型肝炎コア関連抗原(HBcr抗原) 〜 日本の技術でアフリカの肝炎患者を救う(その2)

 アフリカでB型肝炎など、ウイルス性肝炎対策にとりくむ島川祐輔先生に、ご研究の成果について寄稿していただきました。本記事は、その2回目です。


 前にも書きましたが、アフリカにおいてB型肝炎の慢性キャリアの治療が進まない大きな理由として、治療の適応を判断するのに必須の「ウイルス量検査」ができないことがあげられます。

 一般にPCR法を用いてB型肝炎のウイルス量を調べますが、この検査はアフリカにおいて非常に高価で(¥4,000~¥20,000)、また実施できる医療機関も限られており、都市に住む一部の富裕層以外は、なかなか受けることができません。このような障壁を乗り越え、治療を必要とするアフリカの多くの慢性キャリアの人々に治療がいきわたるようにするためには、PCR検査に代わる、安価で簡易な検査が必要です。

 今回お話するコア関連抗原(HBcr抗原)も、日本で生まれた「Made in Japan」の技術です。

(写真)西アフリカ・ブルキナファソの国立ミュラーズ研究所にて。ウイルス学者のドラマン・カニア先生と私(島川)。
LAMP法の検査機器 西アフリカ・セネガルのダカール・パスツール研究所のアブー・ジョップさん

LAMP(ランプ)法 〜 日本の技術でアフリカの肝炎患者を救う(その1)

 アジアとならび、B型肝炎の多いアフリカ地域。そのアフリカでB型肝炎など、ウイルス性肝炎対策にとりくむ島川祐輔先生に、ご研究の成果について寄稿していただきました(見出しは事務局作成)。


 私たちの取り組んできた研究成果がいくつか論文となりましたので、2回に分けてご紹介したいと思います。第1回目はLAMP(ランプ)法のお話です。

厳しい現実 〜 働き盛りで発症し、命を落とす人が多い

 アフリカでは国によっては1割を超える成人がB型肝炎の慢性キャリアですが、多くの人々は自分が感染していることを知らぬまま、やがて肝硬変や肝臓がんを発症します。肝臓がんの切除や肝臓の移植といった高度な外科治療はアフリカでは乏しく、また受診の遅れから見つかった時には手遅れという場合がほとんどです。30-50才代の働き盛りで発症して命を落とすことが多いため、残された家族が生活に困窮するという点も大きな問題です。

(写真)LAMP法の検査機器を背景に、西アフリカ・セネガルのダカール・パスツール研究所のアブー・ジョップさん(検査技師)。セネガルでのLAMP法評価の中心的役割を果たした。2021年秋より熊本大学消化器内科学・田中靖人教授のもとに留学、肝炎ウイルス学の研鑽を積む予定。
春到来

アフリカの肝炎患者との交流活動の現状と展望について

コロナ禍のもと、アフリカの肝炎患者との交流という私たちの活動も、また大きな影響を受けています。その活動の現状と展望について、取り急ぎ、ご報告いたします。

コロナ禍のため、現時点(2021年3月)でも、アフリカとの往来ができる状況ではありません。そのため、今年も、7月の世界・日本肝炎デーにあわせたアフリカの肝炎患者・研究者の招聘は、残念ながら実施できない見込みです。私たちとしては、招聘については、来年(2022年)以降になると考えています。また、実際に人と人がふれあっての交流には他に変えることのできない価値があると考えていますが、オンラインの活用をはじめ、交流の仕方についても慎重に検討しているところです。

一方で、往来ができない状況でも、今の状況で可能な、準備的な交流は行っています。この間、何度か、ブルキナファソの現地の肝炎患者会と弊実行委員会との間で、それぞれの地域の肝炎患者が置かれた状況や患者団体のとりくみについて、オンラインでの交流を行いました。また、私たち実行委員会内でも、ウイルス性肝炎やアフリカの状況・歴史などについて、学習を行っています。それらの内容については、適宜、ホームページ上などでもご報告・ご紹介して、アフリカや肝炎患者のおかれている状況について、皆さまに知っていただくことができればと考えています。

また、現時点で取り立ててご報告できる成果はないのですが、アフリカの肝炎患者に対する支援についても、何かできないか、試行錯誤を繰り返していることもご報告しておきます。この点については、もともとの私たちの考えでは、日本とアフリカはあまりに遠く離れていることもあり、まずは交流を行い、お互いの状況を学んだ上で、その次の段階に進み、どのような協力ができるのか、アフリカの肝炎患者や研究者に対して、あるいは現地で肝炎対策に奮闘されている島川先生に対して、どのような支援ができるのか、考え、行動に移していこうと考えていました。ただし、日本でもアフリカでもウイルス性肝炎が多くの尊い命を奪い続けている様子を座して見ているわけにはいきません。また、2030年というWHOの肝炎「排除」計画の期限も刻一刻と近づいています。やむを得ない計画の変更であり、できることから行動もしていきたいと考えています。

コロナ禍によって、私たちの活動も大きな影響を受けています。ただし、苦しんでいるのは、私たちだけではありません。同じ時代、同じ社会、同じ世界に生きるものとして、ともにこの困難とたたかっている、その経験もまた力としながら、皆さまとともにウイルス性肝炎対策が日本とアフリカと、そして世界中で、忘れ去られず、対策が進むように、微力ながら尽力してまいります。

本実行委員会の活動に興味のある方は、ぜひ気軽にお声がけください。

アフリカの肝炎対策に対するコロナ禍の影響

コロナ禍はサハラ以南アフリカにおける肝炎対策にも大きな影響をあたえています。コロナ禍でのサハラ以南アフリカ諸国における肝炎対策のおかれた厳しい状況について、Lancet Gastroenterology & Hepatology誌に掲載された論文を和訳して紹介します。(印刷用PDFはこちら)

COVID-19パンデミックがサハラ以南アフリカの肝炎対策に与えた影響

2020年9月17日

Lancet Gastroenterology & Hepatology誌

 COVID-19の全世界的流行を食い止めるため、国際的な取り組みがなされている。その一方、多くの医療資源がCOVID-19対策に注がれてしまうことで、各地域において以前から問題となっていた疾患への対策がおろそかになってきており、それは低中所得国において特に顕著である。中でも、ウイルス肝炎が広く流行しているサハラ以南アフリカにおいて、肝炎対策が受けた被害の大きさは憂慮すべきである。

リーフレットを作成しました

リーフレットを作成しました。

アフリカにおけるウイルス性肝炎問題を紹介するリーフレットを作成しました。来年まで延期せざるを得なくなった本企画ですが、その期間を有効に使って準備をしたいと考えています。

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